人を軸に経営を組み立てるとは?
資本主義が成熟していった昨今では、経済合理性を追求し過ぎた企業の不祥事が度々問題になっています。
その一方で、人々は物質的豊かさよりも、心の豊かさを求めるなど、「人」というものが変わっていっています。
さらに、少子高齢化で、労働力人口が圧倒的に不足し、人材の取り合いが顕著になってきました。
「何かを変えていかないといけない」
ほとんど全員がそう思っているかと思いますが、
「どう変えていったらよいかわからない」
のではないでしょうか?
私どもの結論は、「人を軸に経営を組み立てていけばいいんですよ」ということなのですが、これがわかりにくい・・・。
ここでは、具体的にどうしていけば良いのかの一例をお話させていただきます。
例えば、求人。
どこも人材不足ですので、「求人を良くする」というと、媒体選びや見せ方のテクニックを研究し、駆使するかと思います。
でも、これは「人」を見ていない。
商売で言うなら、「この商品をいかに売るか」を一生懸命考えている状態です。
一方、人を軸にして見ると、求人活動とは、「働く理由を創り、それを伝える活動」となります。
商売で言うなら、「お客様がこの商品が欲しくなって喜んで買ってくださるにはどうすればいいか?」という問いかけです。
「いかに売るか」は商品やサービスにフォーカスしている状態。
「いかにすれば喜んで買ってくださるか」は、人にフォーカスしている状態。
これが軸の違いです。
つまり、視点がモノから人に移った瞬間です。
求人の話に戻すと、
「うちの会社がいかに優れているか」
は、会社という“モノ”にフォーカスしています。
一方、
「あなたにとって、うちの会社で働く理由はどういう理由があるか」
は、その企業で働きたい“人”にフォーカスしている状態です。
つまり、「人を軸に経営を組み立てる」とは、視点の違いなのです。
そして、その視点から生みだされた方法論が、私たちが持っているノウハウなのです。
こういうこと、これからの時代、必要じゃありません?
よく「人を大切にする会社」がもてはやされていますが、実は、「人を大切にする」というのも、“人にフォーカス”の一例であり、「目的」ではありません。
人の目的の究極は、「幸せになる」ことです。
私どもは、これに「今」を付け加えたいなと思います。
「従業員もお客様も、今、幸せになること」
が企業の目的だと考えます。
なんだかこういうと宗教みたいに聞こえますね。が、私は無宗教です。
人や組織やしくみを科学していった結論が、たまたま「今、幸せになること」になったのです。
冒頭、企業の不祥事の話をしましたが、時代は変わってきています。
「何かを変えていかないといけない」
の結論は、複雑ではありません。
実にシンプルなのです。
最後に、
「企業は利益がないと死んでしまう。
幸せになっても売上があがらないよ」
そうおっしゃる方には次の言葉を贈って、このメッセージを終えたいなと思います。
「人にフォーカスして経営をやっていけば、逆に売上は上がりますよ。もし上がらないとしたら、人を見ていないんじゃないですか?
なぜなら、売上は、人が買ってくれて、初めて上がるものですから」
穂浪社会保険労務士事務所
穂浪 高士